「自分はこの国は絶対に伸びる」と思うなら、その国のカントリーファンドを買うのがいいと思われます。日本でも大阪証券取引所に10種類以上、上場されていますし、そこになければニューヨーク市場にはほとんどのものが上場されていますから、証券会社に頼んで調べてもらえばいいでしょう。
世界最大の資産運用会社Fも間もなく日本に本格進出することが決まっているのでMファンドなどを買える日が来るでしょう(Mファンドは運用の問題上、新規の募集を97年9月末で一時的に停止しました)。
また、国内でもM投信をはじめ証券会社を通さない通販の形で直接投信会社から買う手段もあります。
日本で直販しないファンドも海外に行けば直接買うことができます。また、インターネットを利用した通販が一番便利です。
このなかには手数料無料のものもありますが、それだけの理由で飛びつくのはやめて、その商品に魅力があるかどうかをまず考えて購入する必要があります。
以前、M投信の商品を紹介したことがありますが、その商品についてのビデオは非常にレベルの高いものでした。現在の日本の個人投資家が買っているケースではセールスマンに押し切られてのことも多いはずですから、店頭に出向かずこの種のビデオで自分で研究し、通販を利用して購入するのも一つの方法でしょう。
次にHファンドです。ご紹介する商品のなかにはいくつかのHファンドを組み込んだものがあります。Hファンドは49人までの私募形式のため有力Hファンドに直接投資するのは難しいのが現状でした。しかし、アメリカではこの人数枠が緩和されることが決まりましたので、日本からも直接投資できるチャンスがくるのもそう遠くないと思います。
ここで取り上げる外資系投資信託は現在でも買える商品ですが、これからの時代にとりわけ強く私かこれらの商品をお勧めする理由に、銀行窓口でも投資信託を扱えるようになることがあります。
日本版ビッグバンでは、金融機関の競争を促進する目的で銀行でも投資信託を買うことができるようになります。資金が銀行に埋まっている日本にとって、これは非常に大きい問題でしょう。
米国では91年にシティバンクが新聞に大きな広告を打ち投信販売を本格化させました。そのキャッチコピーは「ウォールストリートがシティバンクにやってきた」「定期預金に代わるものをお探しではありませんか?」という非常にインパクトがあり、預金者の度肝を抜くものでした。
なぜ銀行が投信に力を入れるようになったのかというと、貸し出しを抑えて利益を出し、バランスシートをよくすることが一番の理由のようです。代表的なのは中堅銀行のM銀行で、投資信託の収益が全体の14%までに至るようになったケースです。
とにかく、銀行窓口で投信が扱われるようになれば、利用者の利便性は高まり、投資信託の注目度は高まるはずです。
アメリカの銀行窓口で一番売れているのはMMFで、これはきわめてリスクの少ない商品です。日本の窓口で投信を買おうとする客層もきわめて保守的と考えられますので、アメリカのMMFと同レベルの商品が中心となるでしょう。しかし最初はMMFだけしか購入しない客のなかにもリスクを負担できる層も出てきます。
後で詳しく紹介するように外資系金融機関の本格的な日本進出が進んでいることに、大半の預金者は気がついていません。いまでは、米投資信託で銀行窓口版シェアトップのPも日本での投信免許取得準備を開始しています。
私はこうした投資信託時代の到来を見据えて、銀行利用者を含む個人投資家は外資系投資信託に注目すべきであるとお伝えしているわけです。
さて、個人投資家にとって問題となるのは、どの銀行で、どのように投信が売られ、窓口となる人がどのような人間になるかということです。
日本の場合、体力的に本業では都銀に絶対にかなわない地銀が力を入れると思われます。現時点で売り方の詳細は決まっていませんが、米国のガイダンスでは「預金受け入れ窓口から物理的に離れた場所で投信を売ること」と定めています。日本もこれを参考にすると考えられますので、現在のように相談窓口で投信を売る可能性は少ないはずです。
アメリカのように銀行内部の奥のほうに「インペストメントーコーナー」を設けることもあるでしょう。
さて、窓口になる人ですが、米国の例ではその銀行員、銀行子会社の証券会社の人間、外部の証券会社の人間というのが一般的です。
その銀行員の場合問題になるのは、個人客には慣れているが、元本割れリスクのある商品をいままで銀行員は売ったことがないので、明確な商品説明を顧客に行うなど、バランスのある対応をどれだけとれるかが問題になります。
銀行子会社の証券会社の人間の場合は、商品の企画、機関投資家との接点はあるのですが、個人投資家に売ったことがないため、パーフェクトな対応ができるとは考えにくいという点です。
最近までで決まっているところは銀行子会社の証券会社の人間が多く、F銀行が「F投信」に店舗を貸し出す形(間貸し)で投信の販売を97年12月から行うことになっています。
またM銀行もM投信の「間貸し方式」でスタートしますが、販売スタッフは中途採用するようです。人材の余裕がないからです。
結局個人は教えてもらうのではなく、すべて自分の考えにおいて「これをいくら買う」と指示するくらいにならなければなりません。
ここまでの事例で考えてみると、いろいろと困難が多いと思われますが、やり方さえ間違わなければ、預金が投信に流れる可能性は高いと見られます。
銀行だけに預金している人の多くは、投信のことを「バブル時の投信」と同じものだと思いこんでいるからです。アメリカのシティバンクではほとんどの投信を買えますが、日本の悪しき伝統「系列」が崩れて「お客のため」を考えさえすれば、日本の銀行でもパフォーマンスのよい投信なら、どこの会社のものでも扱うというビッグチャンスがやってくるはずです。逆に「系列」などに固執していつまでも系列の投信しか扱わない銀行で個人が投信を買うのは絶対にやめるべきです。また古いつき合いだからという態度も今後改めなければ、「勝ち組」に入ることはまず難しいと言わざるを得ません。
海外投資に「円ベース元本保証」はない。
日本版ビッグバンは実質的にもう始まっていると考えるべきですが、これは個人投資家にとってリスクとリターンの幅が広がったことを意味します。
投信の改革については別に詳しく解説しますが、デリバティブ(金融派生商品)を使ったもの、さまざまな国に投資するものなど多種多様の運用ができるようになりました。
P社、D銀行、S商事と並べると大きな損害を引き起こした原因がデリバティブだと思う方がいるかもしれませんが、それらの事件はデリバティブ自体が危険なのではなく、管理の仕方が問題だったに過ぎません。デリバティブを個人投資家が完全に理解するのは難しいため、よく「怖い」「よくわからない」と思い込みがちですが、うまく利用さえすればはるかにリスクを低下させ、大きなリターンを生み出すことができるのです。
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